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染の小道 | October 23, 2017

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「染の小道2012」開催記録:のれん作家、佐藤洋宜さん編

当日はのれん作家さんもたくさんお越しくださいました。
今回は東京友禅の染め職人、佐藤洋宜さんにお話を伺いました。


西武新宿線中井駅前の「ファミリーマート」にかかっていた、ふぐの親子をハートで囲んだのれんの作者です。
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佐藤さんはかつて高田馬場の神田川沿いの友禅工房で7年修業していましたが、その時によく中井に足を運んだそうです。
「糊屋さんや湯のし屋さんなどが集まるエリアなので、よく使いに出されていました。それにしても、こんなに中井が人で溢れるのは、初めて見ましたよ」と、感慨深そうです。
今は西東京市に工房を構え、東京スカイツリーをモチーフにしたしゃれ帯など、遊び心たっぷりの友禅を作っています。
下落合の湯のし屋さんの声掛けによって、今回初参加。
テーマは「吉祥」です。
のれんを掛ける先は、抽選で決まりました。
「先方からのリクエストは特になかったのですが、派手なのぼりやポスターに囲まれることがわかったで、単純でシンプルなのれんにしようと思いました。ちょうど “ふぐ”の帯を作ったことがあり、“福”とかけられるし、気に入っていたのでモチーフに選びました。もともとはカップルのふぐでしたが、『ファミリーマート』ですから、子どもを加えて“家族”にしたんです」。
なるほど~!さすが!深いです!
制作に取り掛かったのは年末くらいから。
まずは図案を紙に描きます。
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ハートの中に、ふぐの親子が描かれます。
そして、その下絵をのれん地の下に敷き、藍花の液で柄を写し取ります。
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次に糊入れですが、ワックス糊を使ってみたそうです。
「普段は着物や帯でもっと繊細な仕事をしているせいか、大胆に糊を太く引いたり細かいこと気にせずに思い切ってできるので気持ちがよく、ストレス解消にもなりました」。
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ふぐのお腹に大量の点も描いて、質感にもこだわります。
白く抜く部分もワックス糊で糊伏せして、いよいよ彩色です。
2007_0101_000220-IMGP4500.jpg
染料は、蒸さずにアルカリと反応させて定着させる反応染料です。
「のれんなので、日光に強く、変色しにくい染料にしました。初めて使ったので、材料屋さんに逐一聞きながらやりました(笑)」。
ハートの部分は一度赤を入れてから、波の模様がでるように、上からろう伏せし、さらにその上から赤を重ねて、さりげなく柄を出しています。
シンプルですが、やはり細部にもこだわり、手間暇を厭いません。
地染めは紺で。
ハートの部分を避けて、大きな刷毛で一気に染めます。
2007_0101_000137-IMGP4507.jpg
糊落としは京都の業者に出し、その後、アルカリの薬品につけ、乾かないうちにビニール袋に入れて一晩寝かし、染料と反応させます。
翌日、薬品と余分な染料を水で洗います。
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乾かし、縫製して、ついに完成です!
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海藻のボカシも効いていて、とってもチャーミング!
アットホームな感じが伝わってきます。
これだけの工程が行なわれながら、費用はすべて自己負担で、「染の小道」3日間のためだけの制作という……。
なんて贅沢なイベントでしょう!!!
しかも、3月頭に行なわれる東京手描友禅コンクール「染芸展」への出品作品の制作も同時進行だったいう超多忙期に参加していただきました!
本当に感謝です!
「普段と違うことができて、いい息抜きになりました。損得勘定ナシだからこそ、楽しめたのかもしれません。友禅だけでなく、いろんなジャンルの作家さんが集まっていて、バリエーションが楽しめたのがよかったです。かなり大きいものもあって、驚きました。迫力とインパクトがあっていいですね。中井の街がこんなに盛り上がっているなんて、本当に夢にも思いませんでした。来年も参加したいと思います」。
作家さんにはプロ・アマ問わず参加いただきましたが、皆さま、無償で、オリジナルで制作いただいたものをご提供いただきました。
それだけのれんを作れる方たちに集まっていただけるのも、落合・中井が“染めの里”だからこそです。
染めの文化を守りたい、皆で楽しみたいという想いがこもった75枚ののれん、皆さまにお楽しみいただけたなら幸いです!

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コメント

  1. 野村昌明西東京市在中

    大変感動しました。そこはかとなくこころがいやされました。

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